無名の運転手の日記 T

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日 付題 名
4月 2日(金) 気が付いたときにはもう・・・。



  2004年 4月 2日(金)   気が付いたときにはもう・・・。
深夜の新宿、歌舞伎町で高齢の男性がご乗車になった。
行き先はすぐ近くなのであるが、渋滞していてなかなか車が前に進めない。
私の内心の焦りがお客様にも伝わったらしく、
「運転手さん、ゆっくりでいいですよ。」と声をかけて下さった。
車が前に進まない分、お客様との会話だけが進むことになる。
一通りの世間話が済むと、お客様が突然こう仰った。
「運転手さんは、大切な人を大事にしていますか?」
お客様の高齢の男性は、つい先日、奥様を亡くされたそうである。
「妻が生きているときには文句ばかりを言っていましたが、妻がいなくなってから本当に妻の大切さが分かりました。」
「妻が生きている間には、まったく気が付かなかったのです。」
残されたのは90歳を遙かに越える母親とご自分の二人だけで、何かにつけて母親から
「お前がもっと大事にしていれば・・・。」
と言われるそうである。

「妻の大切さに気が付いたときには、もうこの世からいなくなっていたのです。」
「運転手さん、どうかあなたの大切な人を大事にしてあげて下さい。」

「後悔先に立たず」と言うが、人は実際に失ってからでないとその存在の大切さに気が付かない。
自分自身、大切なことには何も気が付いていないことを知る。
気が付いたときにはもう手遅れなのである。
そのときが来る前に、大切な人を大事にしたいと思う・・・。
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