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└◇390:
4/29 狭山市市民会館 〜 朱色のamazing 〜 [たかし] 04/30 16:41


390● 4/29 狭山市市民会館 〜 朱色のamazing 〜[ たかし ] 2014 04/30 16:41
  2014年4月29日(火)狭山市市民会館 開演17:00

 〜 フジコ・ヘミング&ヴァスコ・ヴァッシレフ 〜

狭山(さやま)市は埼玉県で、狭山茶の茶どころとして有名である。この日の公演は午後5時からなので、終演時間もそれほど遅くにはならないと考え、自宅からは少し遠いが小旅行のつもりで電車に乗り込んだ。西武線を乗り継いで狭山市駅で下車すると、駅前に茶畑は無く、駅周辺はよく整備されていて近代的な市街地になっていた。
私がこの日の公演に足を運んだのは、ヴァスコ・ヴァッシレフの来日・ラスト・コンサートだったからである。フジコさんとの共演CDを聴いて、彼の音色の素晴らしさに魅了されていたので、この機会を逃してはさぞかし心残りがするだろう・・・と一大決心をして会場に臨んだのである。

第一部はフジコさんのソロ演奏で、ショパンのエチュードが5曲と「バラード第1番」が奏でられた。続けてリストの「ため息」と「鱒(ます)」そして「ラ・カンパネラ」で、聴衆の大拍手は鳴り止むことが無かった。

狭山市市民会館の座席は朱色だった。演奏中で客席が暗くなる時には黄昏のようにも見えた。ホールの音響としては、低音部の響きが強く感じられるようだった。そのことがヴァスコ・ヴァッシレフとの共演では有効に作用したと思われる。彼のヴァイオリンの響きはフジコさんのピアノの音色とベスト・マッチングである。相乗効果は絶大である。私の座席のすぐ近くに外国人の男性が座っていたが、ブラームスのハンガリー舞曲では「amazing!」を連発していた。私だって(amazing!)だし、会場の誰もが心の中で(amazing!)と叫んでいたと思う。日本人だから声に出さなかっただけである。ベートーベンのソナタ 第5番「スプリングソナタ」は第1楽章から第4楽章まで演奏されたが、プログラムには曲名しか掲載されていなかった。その為に楽章間での拍手が、各楽章ごとに繰り返されたのだと思う。プログラムに「第1楽章 Allegro」「第2楽章 Adagio molto espressivo」「第3楽章 Scherzo,Allegro molto」「第4楽章 Rondo,Allegro ma non troppo」と記載されていたならば、聴衆は最終楽章まで拍手を待ち続けることが出来たのではないだろうか。フジコさんが椅子から立ち上がって客席にお辞儀をした時が、演奏の区切りの合図になる。続くラヴェルの「ハバネラ」そして助川敏弥「ちいさき いのちの ために」の演奏は、フジコさんのピアノとヴァスコのヴァイオリンとの共演が醸し出す至高の響きだった。アンコール曲として「アヴェ・マリア」と「ハンガリー舞曲第5番」が演奏されたが、「アヴェ・マリア」のヴァイオリンの音色の美しさは、ピアノの音色の美しさと相まって全聴衆を一時的なキリスト教徒に変えたと思う。人類が音楽を作ったのはこの為だったのかと思うほど、厳かで敬虔なる音色に失神しそうになった。私は悔い改めねばならないのだ・・・。そうして客席のライトが点灯して会場の出口に足を進めると、私の耳にはお客様の声が飛び込んできた。「10本の指で演奏しているとは、とても思えないわ!」と感嘆している。確かに「ハンガリー舞曲第5番」の共演ではオーケストラの演奏に匹敵する大迫力だった。ステージの床が抜けるのではないかと案じられる程の低音部の大きな響きとヴァスコの足踏みは、朱色の座席と輝くステージ照明と一緒に、私の心の歴史に深く刻み込まれたのである。

 amazing!!!
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