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No.387  5/25 「人見記念講堂」 〜 12時の鐘 〜
発言者: たかし
発言日: 2013 05/25 20:54
発言元: IP=proved
2013年5月25日(土)昭和女子大学「人見記念講堂」

〜 フジコ・ヘミング ピアノ ソロ コンサート 2013 〜

ここ数日の初夏の暑さに身体が慣れていないので、25日は汗だくになって会場に行く覚悟でいたのだが、幸いにも北から冷たい空気が流れ込んで、東京は涼しい一日となった。
会場のステージにはピンクの花が飾られていて、フジコさんの登場を待ちわびるお客様の気持ちを華やかに盛り立てていた。

        < 演 目 紹 介 >

J.S.バッハ ◆主よ、人の望みの喜びよ カンタータ BWV-147
      ◆シチリアーノ フルート・ソナタ BWV-1031

R.シューマン ◆謝肉祭「4つの音符による面白い情景」作品9

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 休 憩 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

S.V.ラフマニノフ ◆13の前奏曲 作品32-5 ト長調

F.ショパン  ◆幻想即興曲 作品66 嬰ハ短調
       ◆ノクターン「遺作」
       ◆エチュード 「木枯らし」

F.リスト   ◆「ため息」
       ◆「泉のほとりで」
       ◆「ラ・カンパネラ」

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開演前にバッハの演目を見たお客様が、「今日はフルートの演奏があるみたい」と仰っていたのが私の耳に届いた。フジコさんの演奏を聴いてみれば、誰もが知っている美しい名曲「シチリアーノ」なのであった。フルート・ソナタではあるが、必ずしもフルートで演奏されるとは限らないようである。シューマンの演奏が始まると会場の雰囲気が一変した。フジコさんの魔法が「フジコ・ワールド」へと聴衆を誘い始めたのである。フジコ・マジックに酔いしれたままで20分間の休憩を終えると、第二部はショパンの曲から始まった。何か変であるが、私たちは魔法にかけられているから、次々と奏でられる曲から溢れ出る新たなる感動を抑えることが出来ないままで聴き入っている。
そしてお待ちかねの「ラ・カンパネラ」が鳴り響いた時に、私は今までと違う感情に襲われていた。この曲はシンデレラ物語の12時の鐘と同じように、「ラ・カンパネラ」の演奏が鳴り終わると私たちはカボチャやネズミの、元の姿に戻らなくてはならないことに気が付いた。夢から覚めて現実に戻らなくてはならない「時」を知らせる「12時の鐘」である。この日の「ラ・カンパネラ」は、私が今まで聴いた中で最高の名演奏であった。会場全体に鳴り響く大拍手を受けながら、フジコさんはステージを去られたのである。そしてステージに戻って来られてマイクを手にして仰った。「ラフマニノフがプログラムに載っていたそうです」・・・そして演目に記載されていた「プレリュード 作品32-5」を演奏された。ここで終わらないのがフジコさんの人間性である。続けて演奏されたのは、プログラムには掲載されていなかった「プレリュード 作品3-2 鐘」である。これは大きなサプライズであった。私たちは新たなる魔法にかけられてしまったのである。それがどれほど素晴らしい演奏だったかを証明するのは、帰り道の電車である。私は自分が下車する駅で降り損ねてしまい、次の駅まで行ってしまったという事実である。次の駅の改札を出るまで、私はここが自分の降りるべき駅では無かったことに気が付かなかった。またパスモで改札をタッチして自分が住む街の駅に戻る。そして自分の駅を出た瞬間に、私は元のネズミの姿に戻ったのである。

フジコさんは更に最高峰の演奏を目指しておられることを、今日は心底から確認することが出来たと思う。フジコさんの指は鍵盤と同じであって、実際のピアノの鍵盤はフジコさんの指のハンマー的な役割を担っているのではなかろうか。そうでなければ、あの大迫力の演奏を理解する事は出来ない。右手の小指が打鍵する音色は、フジコさんしか出せない音だと思う。フジコさんが目指す最高峰は、果てしない永遠の音色なのである。私はその音色を聴き続けたいと思う。

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387:5/25 「人見記念講堂」 〜 12時の鐘 〜 [たかし] 05/25 20:54<-last


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